堺東に誕生した没入型サウナ「SAUNA totonou」

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ビューティー

──「儀式としてのサウナ」が描く、運動とリカバリーの新しいかたち

2026年1月30日、南海高野線・堺東駅から徒歩2分の場所に、新たなサウナ施設「SAUNA totonou 堺東駅前店」がオープンした。光・音・香り・温度を組み合わせた「没入型」の空間設計、湿度をしっかり感じるロウリュ式サウナ、そして口コミの声から生まれた一桁台の「シングル」水風呂──。運営の株式会社アイ・グラン・ソリューションは、全国で保育園を展開するアイグランホールディングスのグループ会社で、「日本の社会課題の解決」をビジョンに掲げている。今回、実際に施設を訪れ、運営者にも話を伺った。

1. 「ととのう」ことに集中できる、暗めの没入空間

ドアを開けて浴室に足を踏み入れると、まず照明の暗さに気づく。派手な装飾はなく、重厚感のある素材と落ち着いた光だけが空間を満たす。視覚的な情報量を意図的に絞ることで、来館者の意識は身体感覚に向き、「ととのう」ことだけに集中できる──そんな設計思想が伝わってくる。

光・音・香り・温度すべてを統合的にデザインし、五感で味わう没入体験を提供することを掲げている。

2. 湿度のあるロウリュ式サウナと、種類豊富な「風呂」

サウナは大・小の2種を備える。いずれもカラカラに乾いた古典的なサウナとは異なり、しっかりと湿度を含んだ室内で、たっぷり汗をかける。20分に1回のオートロウリュに加え、定期的にスタッフによるロウリュサービスも実施される(社内で熱波師を育成しているとのこと)。

驚かされたのは「風呂」の種類の多さだ。あったかい風呂、23度の水風呂、そしてシングルの水風呂など複数温度帯で用意されている。最も冷たい水風呂は一桁台、いわゆる「シングル」。これは利用者からの口コミを受けて導入されたものだという。汗を一気に絞り、しっかりととのいたい日に、この施設は強くおすすめできる。

3. 個人的お気に入り:ミストサウナと、ととのいスペース

取材中、最も印象に残ったのはミストサウナと休憩スペースだった。ミストサウナでは、桜タワーから降り注ぐような演出のもと、横になって体を預けることもできる。湿度の柔らかさに包まれているうちに、いつの間にか眠ってしまいそうな心地よさだ。

ととのいスペースに置かれているチェアは、「よく見るあの定番」ではなく、明確に上位グレードのモデル。座面に身を預けた瞬間の沈み込みが違う。天井には星空のような演出が施されており、視覚と触覚の両方で深い休息へと誘導される。

4. 細部のこだわりと、安全への配慮

施設を歩いていると、目に見えにくい場所にまで配慮が行き届いていることがわかる。脱衣所には八面鏡が設置されており、自分の背中の筋肉まで確認できる。サウナ施設ではほとんど例を見ない設備だ。

香りは、外資系ホテルのロビーを思わせる上品なもの。専用のディフューザーから立ち上る香りが、空間全体の格を引き上げている。

安全面の備えも見逃せない。万一の地震時には扉が自動的に開放される仕組みがあり、入口近くにはサウナ室の壁を破壊するための棒も常備されている。床には転倒を防ぐすべり止めがしっかりと敷かれていた。

5. 保育園運営から始まった、社会課題への挑戦

運営会社・アイグランホールディングスは、もともと全国で約500施設規模(取材時情報)の保育事業を手がけてきた企業だ。一見するとサウナ事業との接点は薄いが、運営者の言葉を聞くとその一貫性が見えてくる。

「事業は手段であって、目的ではない。日本の未来に貢献したい──保育、ジム経営、そしてSAUNA totonouも、すべては社会課題の解決のためです」

背景にあるのは、医療費の膨張という日本社会の構造的課題だ。「24時間ジムは普及したが、運動とセットで必要なリカバリー機能が圧倒的に足りていない」という問題意識から、運動とリカバリーを一体で提供するという発想に至ったという。

6. NYのサウナ視察から生まれた、没入型サウナ

出店のヒントとなったのは、ニューヨークの没入型サウナだ。経営者自身が現地を視察し、その体験がSAUNA totonou の空間設計に活かされている。

今後の基本戦略は「ジム × サウナ」のセット出店。一方で、SAUNA totonou は「ちょっと疲れたとき」に立ち寄れる単独店としても成立するブランドとして設計されている。今回の堺東店を皮切りに、全国展開が予定されている。

7. 口コミから生まれた「シングル」と「熱い風呂」

印象的だったのは、運営の改善スピードへの強いこだわりだった。サウナイキタイなどに寄せられる口コミを丹念にチェックし、改善できることはすぐに反映していく。「寒い」という声には熱い風呂で応え、「シングルがほしい」という声には一桁台の水風呂を用意した。

集客面では、平日90分1,900円というエントリーしやすい価格帯に加え、回数券の導入も予定されている。チラシやティッシュ配りといった地道な施策に加え、レディースデイの導入も今後検討中とのこと。

まとめ:汗をかいて、すっきりととのいたい人に

湿度のあるロウリュ式サウナ、シングルまで揃う多彩な水風呂、上位グレードのととのいチェア、桜タワー演出のミストサウナ──。「汗をしっかりかいて、頭の中までクリアにととのえたい」そう感じた日に、強くおすすめしたい一軒だ。暗めの浴室は没入感が高く、「ととのう」という体験そのものに集中させてくれる。

そして何より、運営の改善姿勢と、その背後にある「社会課題解決」という揺るぎないビジョン。今後の全国展開と、ジム一体型の新業態としての成長に期待が高まる施設である。

施設情報

施設名SAUNA totonou 堺東駅前店
所在地大阪府堺市堺区南瓦町2-3-22 3F
アクセス南海高野線「堺東駅」より徒歩2分
営業時間平日 12:00–22:30 / 土日祝 10:00–22:30(最終受付 21:00)
料金平日 90分 ¥1,900〜 / 土日祝 90分 ¥2,200〜(回数券導入予定)
設備ドライサウナ2種(HALL/STILL)/ミストサウナ/水風呂(7〜30℃複数)/ととのいスペース
駐車場なし
運営会社株式会社アイ・グラン・ソリューション(アイグランホールディングスグループ)


※本記事は2026年4月時点の取材情報に基づきます。料金・サービス内容は変更となる場合があります。最新情報は公式サイト公式SNSをご確認ください。

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